マイホーム購入で失敗しないためには、情報収集がとても大切になります。一昔前と比べて情報収集の手段も多様になってきていますが、中には正確性に欠ける情報も多く存在しているため、情報の取捨選択も大切です。

理想を言えば、利害関係のない、工務店やハウスメーカーに勤務している親戚・兄弟に聞くことだと思いますが、これはなかなかレアケースです。

であれば、あなた自身に合った、信頼できるハウスメーカーを見つけることが大切です。

ハウスメーカーといっても、大手、地場系、不動産系など様々なタイプの業者があります。

ここでは、大手ハウスメーカーと地元に根付いたハウスメーカーを比較しながら、その特徴を紹介していきます。

大手ハウスメーカーの特徴とマイホームをつくるメリット

大手ハウスメーカーの特徴とマイホームをつくるメリット

まず最初に大手ハウスメーカーの特徴とメリットについて確認していきましょう。大手ハウスメーカーの名前をあげると、ダイワハウス、積水ハウス、飯田グループ、住友林業、ミサワホームなどです。

テレビCMなども積極的に展開している企業も多く、会社名くらいは聞いたことがあるのではないでしょうか。

圧倒的な資本力を背景とする安心感

大手ハウスメーカーの特徴は、何といっても資本力を背景とする安心感ではないでしょうか。多くの人にとってマイホーム購入は、一生に一度の買い物になります。

なので、マイホームづくりでは失敗はしたくないという気持ちは、当然強くなることでしょう。

特に、注文住宅の場合は工事請負契約をしてから、引き渡しまで4ヶ月~半年近くの期間を要します。土地代は既に払っている状態です。

実際に、工事の途中で会社が倒産してしまい、工事がストップしてしまうような場合もありますが、住宅完成保証制度に加入している業者であれば、その点は安心できますが、余計なトラブルは避けたいところです。

大手のハウスメーカーに工事を依頼すれば、会社が倒産して工事がストップするといったリスクはほとんどありません。

住宅の性能やサービス品質が高い

マイホーム購入に至る意思決定には様々な要素があります。

例えば、価格が安い、デザインが今風でおしゃれ、といった要素から、住宅の性能にトコトンこだわる人まで様々です。

住宅の性能の良し悪しを決める要素としては『断熱性』『気密性』『耐震性』『耐久性』『省エネ性』『防火性』『防犯性』など様々です。

以前、住宅ローン減税に関する記事を書かせていただいた際にも触れましたが、長期優良住宅の認定を受けて、住宅ローン減税の優遇を受けることができます。

これは、低価格路線のメーカーでも作ることは当然できますし、新興企業でも作ることはできます。

しかし、大手ハウスメーカーの場合は、より高品質な住宅を建てることが可能です。

住宅の性能が高いことで、地震や災害に見舞われたときも壊れにくく、安心できますし、夏は涼しく、冬は温かい、そんな住宅を作ることが可能です。

もちろん、地元のハウスメーカーや工務店にはそのような住宅を作ることができないということではありませんので、誤解しないでください。

また、サービス品質についても均一化されています。

大手ハウスメーカーに依頼をしても、実際に施工するのは工務店や大工になるため、「大手ハウスメーカーで住宅を建てる意味はない」と考える方もいらっしゃいますが、使用する木材や部材を自社の工場で加工したり生産して組み立てをします。

実際の施工は協力会社に依頼していたとしても、しっかりとマニュアル化されているので、高いレベルで品質が保たれています。

住宅ローン金利が安くなる!?

大手に限らず、一定規模のハウスメーカーになれば提携している金融機関があります。

金融機関にとって、大手ハウスメーカーは大口の取引先になります。なぜなら、住宅ローンを組む、顧客を紹介してくれるからです。

ここには当然、数の原理が働きますので、個人で金融機関に住宅ローンを申し込むよりも金利が低くなる可能性は十分にあります。

材料や資材の確保が安定している

2021年7月現在、住宅業界では材料、特に木材の高騰が課題になっているようです。

これは、新型コロナウイルス感染症の影響で、海外の仕入先が稼働していなかったり、停滞していることが原因のようです。

その点、資金力のある会社の場合は、材料の仕入れも一括して行えたり、在庫として確保することが可能なので、安定した供給が可能になります。

このように、大手ハウスメーカーには、企業規模を活かしたスケールや高い水準でのサービス均一化を図ることが可能であるという強みがあります。

地域密着型のハウスメーカーの特徴とメリットとは

地域密着型のハウスメーカーの特徴とメリットとは

ここまでの説明を見ると、あなたがマイホームを建てる際には大手ハウスメーカー一択であるかのように錯覚しますが、決してそんなことはありません。

地域に根付いているハウスメーカーにも、あなたがマイホームを建てたくなるような特徴やメリットがたくさんあることをここではお伝えしていきましょう。

地域事情を考慮した住まいの提案ができる

私が地域密着型のハウスメーカーの最大の特徴を一つあげるとしたら『地域事情に強い』点をあげます。

マイホーム購入、住まいづくりといっても、私たちが暮らすのは、家ではありません。その地域になります。

これは不動産の話になるのかもしれませんが、マイホームを購入するということは、その地域の土地を購入するということになります。

その土地を購入して、その地域に長く住むことになるのですから、地域事情に強い、地場のハウスメーカーに相談するという選択肢は捨て難いものだと思います。

あなたが想像している以上に、地域密着型のハウスメーカー、特に何十年もその地域で営業をしている会社は地域事情に詳しいということをお伝えしておかなければなりません。

丁寧な家づくりをする

地域密着型のハウスメーカーの場合、一人ひとりのお客様に対して丁寧な仕事をする傾向があります。

その理由としては、一つ一つの仕事に占めるウェイトが、とても大きいからです。

さらに、担当者に与えられる裁量が、大手ハウスメーカーと比べると大きい傾向にあります。この点に関しては、マイホーム購入を検討されているお客様の希望や声を反映できるメリットがあるため、マイホームを購入する顧客の声が反映された家づくりが行われます。

画一的なルールやマニュアルがある大手ハウスメーカーは、高水準での画一的な品質が保証されますが、注文住宅で、価格にもデザインにも、品質にも妥協をしたくないという方であれば、地域密着型のハウスメーカーがおすすめです。

迅速な対応力がある

対応のスピードに関しても、非常に重要な要素になります。

特に、住宅に関する欠陥やトラブルが発生した際には、初動対応の速度が重要になってきますので、迅速に対応できるハウスメーカーが望ましいです。

現在は、ICTの技術も進んでいますし、CRMの導入も一般的になっています。そういった意味では、組織の大小による、対応の速度には大きな違いはないのかもしれません。

実際に、システムを上手に活用することで、それらも可能になります。

ただ、組織が縦にも横にも大きくなることで、結果論として情報の共有と対応が遅くなってしまいます。

また、年月が経過すれば、人事異動などが繰り返されて、当時購入した時の状況や顧客の特性などを理解している人がいなくなっているということもザラにあるのではないでしょうか。

その点、地域密着型のハウスメーカーであれば安心です。

当時の担当者は、スグ近くにいるでしょうし、上役の人間も高い水準で把握していることが多く、安心して連絡ができるのではないでしょうか。

生涯に渡る付き合いができるのは大手?地域密着型?

生涯に渡る付き合いができるのは大手?地域密着型?

マイホーム購入とは、ほとんどの人にとって一生に一度の一番大きな買い物になると思います。

実際にマイホーム購入を検討されているあなた自身も、そのようにお考えだと思いますし、そのような言葉を発したことがあろうかと思います。

建築を始めてから、引き渡しまでの期間はもちろんですが、それ以降も、マイホームを購入したハウスメーカーとの付き合いは継続するのが通常です。

例えば、定期的なマイホーム点検、修繕、リフォーム、リノベーション、売却や賃貸の相談など、一生の付き合いになることは決して大袈裟なことではありません。

そういった将来のことまで考えると、地域に根ざした地域密着型のハウスメーカーの方がより、人間味溢れる付き合いができると私は考えています。

大手ハウスメーカー、地域密着型のハウスメーカー、それぞれいい点、悪い点があるのは当然です。

これからマイホームの購入を検討されている方は、何を重視するのか?何に拘りたいか?マイホームを購入する今だけではなく、将来にわたりどのような暮らしをしていきたいか?を考えた上で、どこに仕事をお願いするのかを考えて行く必要があるのではないでしょうか。